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島田研究室    
―メゾスコピック系物性研究室―
Experimental Mesoscopic Physics Group, Department of Engineering Science, UEC Tokyo
 
COUNTER766839

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島田研究室のご紹介

島田研究室は、情報理工学部/情報理工学研究科の実験物理工学系の研究室です。
研究対象はメゾスコピック系呼ばれる、ミクロとマクロの中間領域の固体中の電子物性です。
(それで、研究室の別名が、
メゾスコピック系物性研究室と言います。)
固体と言っても、金属・半導体・超伝導体・磁性体といろいろありますが、これら全てが対象です。 
メゾスコピック系の研究にどんな意義があるのか?このサイズだと電子系の量子効果が顕著になります。
たとえば、狭い領域に電子が閉じこめられると、電子のエネルギー準位は、原子などと同じように離散的
になります。そして、メゾスコピック・デバイスでは、そのような電子系にマクロな電極を付けて計測が
できるというわけです。
また、メゾスコピック系は、ミクロ世界を司る
量子力学とマクロ世界と司る古典力学とのつながりを
調べる舞台にもなっているのです。

メゾスコピック系はスケールでは、ナノ・デバイスと言えます。現在私たちの研究室で作る素子の
典型的な最小サイズは100nmです。
下の写真は、これまで研究を行ってきた素子の一例です。

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直流電流転写素子(量子電流ミラー素子)    量子電流ミラー効果を用いた微小電流2倍器       走査顕微鏡用のファイバープローブ(試作品)

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単一電子トランジスタ電位計を配された強磁性細線  金電極のナノ・ギャップ               微小電流10倍器(第一号)

       
   環境インピーダンスを制御した1次元接合列     改良型の微小電流10倍器                       興味深い性質を示すAlVAl超伝導単一電子トランジスタ

島田研究室の研究活動

新奇な現象を期待出来るメゾスコピック・デバイスを作製し、
希釈冷凍機を使った極低温における計測
によって、デバイスの特性を調べます。そこには、デバイス内部で電子系が示している
量子効果が反映
され、時として、思いも寄らない結果が現れます。そこから、現象の本質を抽出し、電子物性としての特徴を
明らかにします。そして、そこに、有意性があれば、それを積極的に使った新しいデバイスを作製してゆく。
そんな研究活動を行っています。

素子作製は、417実験室と隣の東8号館
SVBL(サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリ)の設備を
使って行い、極低温計測は、417あるいは106/107実験室の希釈冷凍機(417:
70mK, 106/107:40mK)を使って
行います。現状では直流から40GHzというマイクロ波領域までの測定ができます。

発足以来、水柿研究室と共同研究を
行っています。
微細素子の作製についての共同作業や、研究室合同セミナー、また随時情報交換を行っています。
水柿先生とは、Sweden Goeteborg にある Chalmers大学のPer Delsing教授(元ノーベル物理学賞選考委員)の
研究室で同じ頃在外研究をしたのがご縁で、現在の共同研究に至っています。
2012年2月には、Chalmers大学のTord Claeson教授(前ノーベル物理学賞選考委員)の訪問を受けました。
2015年度から、セミナーは小久保研とも合同で行うことになりました。
基盤理工学専攻内の超伝導デバイスグループということになるでしょう。
2025年度から,同じ電子工学プログラムの曽我部先生と超伝導量子ビットに関する共同研究を始めています。
2026年度前期には,島田研の大型希釈冷凍機でトランズモン型量子ビットを動作させる予定です。